背景
仕事上で契約の法務確認を任せられたので、法務確認がなぜ必要なのか?どのようにやればいいのか、それをやる上で学んだ契約の種類などについてを備忘録としてまとめておきます。
法務確認って何?
契約の法務確認は、ビジネス上で取引や提携を行う際に不可欠なステップです。これは、法的な問題やリスクを事前に洗い出し、取引条件や契約書の内容を確認するプロセスです。法務確認を怠ると、後々の法的トラブルや損害が発生する可能性が高まります。したがって、契約に関する法的な側面を確認することは非常に重要です。
契約締結のフロー
契約締結のフローは以下のようになります。
- 交渉: 双方の当事者が条件や取引内容について交渉します。
- 合意: 交渉が終了したら、双方が合意に達し、契約条件が確定します。
- 契約書作成: 合意が取れたら、契約書が作成されます。この際、法的な表現や条件を明示的に記載することが求められます。
- 法務確認: 契約書が法的な要件を満たしているかどうかを確認します。これには法的リスクの評価や法的助言が含まれます。
- 捺印: 法務確認が終われば、契約書は当事者によって署名され、正式に締結されます。
本記事内では4.5を実際の業務で担当したので4.5について後述します。
法務確認の方法
基本的には社内の法務確認をしてくださる法務課に確認の依頼を投げることになります。
法務確認により修正がある場合は、契約先の契約責任者などに修正内容について相談をして、必要に応じて契約書を修正します。
法務確認が終わると、捺印作業になります。
法務確認フロー
- 契約書の内容を確認して不備がないかを確認する
- 法務確認申請を行う
- 法務チームからの確認が終わり、修正依頼があれば必要に応じて修正する
- 修正版を法務チームに改めて確認していただき法務チームからの承認を得る
捺印の方法
法務確認が終わると、契約書に契約を行う双方の会社の捺印を押す必要があります。
こちらも法務確認同様、社内での捺印申請などを行い契約課に依頼する流れが多いです。
捺印申請フロー
- 法務確認済みの契約に対して、契約課などに対して捺印申請を行う
- 必要に応じて捺印をしてもらう上長などに承認依頼を投げる
- 捺印が終わる
- 捺印済みの契約書が返ってくる
- 捺印終了した旨を知らせ、捺印済みの契約書を契約先に郵送する
c.f. 契約書の種類について
本記事には直接関係がしませんが、契約書の種類についていくつか説明します。
NDAとは
秘密保持契約(NDA)とは、相手方に開示する自社の秘密情報について、契約締結時に予定している用途以外で使うことや、他人に開示することを禁止したい場合に締結する契約書です。
NDAを結ぶメリット
①秘密情報の流出防止
②情報漏えい時に損害賠償請求ができる
③保護する営業秘密の範囲を指定できる
参考
https://keiyaku-watch.jp/media/keiyakuruikei/himitsuhojikeiyaku/nda/
念書とは
念書とは、約束した事項を記載して相手に提出する書面のことです。
契約書・合意書・覚書は、いずれも締結当事者の間における合意事項を記載した書面です。名称が異なるだけで、合意書面としての法的効力に差はありません。
念書は、作成者が提出先に対して一方的に義務を負う内容の書面です。これに対して、契約書・合意書・覚書は、双方向の義務を発生させる書面である点に違いがあります。
念書の法的効力
念書が法的な義務を内容とし、かつ作成者の真の意思によって作成されたものであれば、念書の内容は作成者を法的に拘束し、訴訟等における証拠として用いることもできます。 また、前述のとおり、公正証書化したうえで強制執行認諾文言を記載しておけば、訴訟を経ることなく強制執行を申し立てることも可能です。
参考
https://keiyaku-watch.jp/media/kisochishiki/nensyo/