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インターフェースデザインの心理学

目次

感想

インターフェースデザインの心理学という名前を模しているが紹介する内容はもはやその領域を超えて意思決定の方法や幸せになるコツなど多様なことが書いてある。さまざまな人間の無意識にある本能的な意思決定や知覚方法について研究結果等のデータをもとに言語化してくれる。短編集的なノリで読み物としてとても面白い。Daigoの雑談切り抜きを100連続で見せられたかのような印象を受けた。デザイナーやエンジニアだけではなく、プロダクトを創る全ての人に参考になるような情報が学べる。心理学とデザインはこんなにも密接に関わってるのかと感じたし、人間の行動とか心理を知った上で画面設計とかまで出来たら強いなって思った。

人はどう見るのか

  • 人は物体をジオンというパターンで認識しているので、単純な図形を用いた絵の方が認識速度がはやい
  • 人は生まれつき人間の顔を見る専門の紡錘状顔領域があり、人の顔を見ると反応してしまう
  • 視覚的な注意を引きたいときはやりすぎない他との簡単な差異だけでいい
  • 重要な情報は画面の端には置いてはいけない
  • アフォーダンスに即したデザイン設計
    • ボタンには影をつける等
  • 一つのグループとして見てもらいたいものは近接を用いる
  • 青と赤は近くに配置しない
    • 目が疲れるし読みにくい
  • 男性の9%と女性の0.5%が色覚異常

人はどう読むのか

  • 英語の大文字は大声を出しているイメージを与えるので注意喚起に用いると良い
  • 文章の難易度を対象とする読者に合わせる
  • 読みにくいフォントで書かれると内容が難しいと勘違いする
    • メイリオ、hiragino sansあたりが丸い
  • 画面上のものは紙に書かれたものより読みにくい
  • 長い行の方が早く読めるが一般には短い行が好まれる
    • 読まれる速度か読者の好みを重視するかを考慮する

人はどう記憶するのか

  • 人が一度に覚えられるのは4つだけ
  • 人は情報をスキーマに分類して記憶する
  • 発表の中間部に示された情報は記憶される可能性が最も低くなる
  • 記憶は想像上の出来事で再補完され歪んでいく

人はどう考えるのか

  • 情報の段階的開示を行う
    • いきなり詳細から入らない
  • 心的資源の消耗が多い順は、認知>視覚>運動
  • 人は30%の時間はぼんやりしている
  • 強制されれば人は信念を変える
    • 人の信念を変える一番の方法は試しにやって見てもらうこと
  • 人はシステムを使う際にメンタルモデルを構築する
    • 人はメンタルモデルを持って、システムを触り、実際に触ってみてそれに対する概念モデルを構築する。
    • メンタルモデルと概念モデルが一致しない時に使い勝手を悪く感じる
  • 人は物語を使って上手く情報を処理する
    • 物語を使うと人は因果関係を見出そうとして、飛躍をした思考をしてしまう
    • 興味深く、人の記憶に残すには物語を使う
  • 人は例を使うと上手く学ぶ
    • 具体例や画像などの情報は大切
  • 人はよく分類された情報を好む
  • 進行状況を示してあげると長いことも短く感じる
    • 逆に終わりの見えないもの、作業に絶望する
  • 人は具体的で明確、かつ達成可能な目標を持つときにフロー状態に入る
    • 進捗が進んでいることのFBを常に与える
    • 簡単でも難しくもないちょうど良い目標
    • 人間はフロー状態に入ることが好き
  • 注意の持続時間は10分
  • 人は顕著な変化にしか気を止めてない
  • 人は危険、食べ物、セックス、人の顔、物語に注意を惹かれる
  • 誤警報と誤答のどちらにユーザーへの損害が大きいかを考える
    • 信号検出理論
    • がんの診断(誤警報が良くない)
    • 航空システム(誤答が良くない)

人はどうすればやる気になるのか

  • 目標に近づくほどやる気が出る
  • 報酬の頻度は変動かつ、成果主義が最もやる気が出る
  • 人はドーパミンによって情報探索したがる
  • 人は簡単に見つけやすい情報にのめりこむ
    • 例:tiktok
  • 人は予測できないとき探索を続ける
  • 短い文章、コンテンツに常習癖がつきやすい
  • 人の目標設定は無意識的に行われて、それが時を経て意識的な思考に現れる
  • 単純作業ではない創造的な活動は内的報酬の方がやる気が出る
    • 成長、自主性、目的
  • 人は社会的な規範に影響される
    • 量産型であろうとする
  • 人はある仕事を行うときの作業量を最小限にしたい
    • 最良よりも大体満足できるもの
  • 人の行動は性格だと判断して、自分の行動は状況だと言い張る
  • 習慣は簡単に作れる
    • 簡単な作業、何らかの動作、聴覚、視覚とのつながり
  • 競争意欲はライバルが少ないときの方が旺盛
  • 強い絆を持てるグループの上限は150人
  • 人は模倣と共感の生き物
    • 同じことをすれば共感して好意がわく
    • 誰かの行動を見せるとやりたくなる
  • 同期活動(みんなで同じことをやる)人の絆は強まる
  • 嘘をつく頻度:電話>メール>手書き>対面
  • 笑いは絆をうむ
    • ユーモアじゃない笑いが80%
    • 女性は男性の2倍以上笑う
    • 目に皺を寄せて意識的に眼輪筋を動かせるのは20%

人はどう感じるのか

  • 上手く運営されたグループほど、グループとしては良くない結果を招く決定につながる
  • データだけよりも物語があって方が説得力が増す
  • 表情によって感情が決まる
    • ボトックス打った人は笑えなくなって幸福度が下がるという現象もある
  • 人は予想外を熱望する
  • 人は生産性のないことをしたがらないが結果的には忙しい方人のが幸せ
  • 人は牧歌的な風景が本能的に好き
  • 人は見た目でフィルターをかけて、中身で信頼できるかを決める
    • 言い換えるとデザインにおいてもES落ちしないのが大切
  • 人の幸福について
    • 外交的な人の方が内向的な人より幸せ
    • 楽観主義は悲観論者より幸せ
    • 既婚者は独身より幸せだが、子供の有無は関係ない
    • 共和党員は民主党員より幸せ
    • 教会に通う人の方が幸せ
    • 大卒の方が幸せでが、大卒以上は逆に不幸せ
    • 性生活が充実している人はない人より幸せ
    • 浮気をすると幸せだが、配偶者に見つかって捨てられれば幸せでない
    • 通勤中は幸福度が最低
    • 忙しい人は、する人がほとんどない人より幸せ
    • 裕福な人は貧しい人より幸せだがその差は小さい
    • 幸福度が変動する理由の70%は人間関係
  • 大好きな音楽を聴くとドーパミンが放出される
  • 達成が難しいことほど愛着を感じる
    • 入会が難しいサークル、スタバ等
  • 素晴らしい休暇を取る方法
    • 長い休暇より、短い休暇を何回かとった方が楽しめる
    • 強烈な体験や「至高体験」が重要
    • 長期記憶に影響するのは休暇の締めくくり
  • 人は悲しみや不安を感じている時は馴染みのものを欲する
    • 幸せな時にチャレンジしてみる

人はミスをする

  • ストレスが過度にかかると間違いは多くなる
    • ヤーキーズ・ドットソンの法則

人はどう決断するのか

  • 人は無意識に決定をして、危険には意識より無意識が先行して気づく
    • 直感はある程度信じても良い
  • 人は選択肢が多いと正常な判断ができなくなるのに、選択肢を際限なく求める
    • 選択肢の少ないラーメン屋の方が良い
  • 人はお金より時間を選ぶ
    • 安いレモネードよりもちょっと一息レモネードを選ぶ
  • 人は楽しい気分の時、直感の方が高い評価をしてくれて、悲しい気分の時は論理的な方が高い評価をしてくれる
  • 集団で意思決定をする際には、あらかじめ検討内容を伝えてはいけない、それに影響された選択をしてしまう
  • 人は習慣と価値のいずれかを重視して決定する。たくさんの情報を与えると価値によって選択する。
  • 確信がない時は、自分と似た人の判断を信頼する
  • 現物はオンラインの写真や映像には勝てない
    • 手が届く距離にあることが大切